「また内見に来たのに決まらなかった…」そのお悩み、水回りが原因かもしれません
内見の申し込みはそれなりにある。でも、なかなか成約に結びつかない。
そんな状況が続いているとしたら、あなたの物件に問題があるわけではありません。ただ、入居希望者が「決め手」を見つけられていないだけです。
私はこれまで18年間、不動産管理の現場で数百件の物件を見てきました。空室に悩む大家さんのお話を伺うたびに感じることがあります。それは、「空室の原因は、だいたい水回りに隠れている」ということです。
今日は、水回りリフォームを通じて空室を解消した具体的な事例と、あなたの物件に今すぐ使えるアクションプランをお伝えします。
問題の本質:入居者が「見えない部分」で判断している
不動産の内見では、実は目に見えるもの以上に「感覚」で判断されています。
たとえば、浴室に入った瞬間の「においや清潔感」。キッチンの蛇口をひねったときの「水圧と見た目の古さ」。トイレのドアを開けたときの「雰囲気」。これらはすべて、言葉で説明されるものではなく、体で感じるものです。
人は「ここで暮らせるか」を0.5秒で判断する生き物です。
間取りがよくて、立地もそこそこで、家賃も相場並みなのに決まらない物件のほとんどが、この「感覚的な拒否反応」を引き起こしています。そして、その原因の多くが水回りの老朽化です。
私自身も、築23年のアパートを管理している際に、同じ体験をしました。内見はひと月に4〜5組あるのに、まったく成約しない。不思議に思ってお客様を案内した仲介業者に正直に聞いてみたところ、返ってきた言葉は「お風呂が暗くて古いんですよね」のひと言でした。
空室が埋まらない3つの原因
原因①:ユニットバスの老朽化が「生理的な不快感」を生む
築15年以上の物件に多いのが、ユニットバスの経年劣化です。カビが取れないパッキン、黄ばんだ浴槽、グラグラする床パネル——これらは清掃をどれだけ丁寧にしても、見た目の古さを消すことができません。
現代の入居希望者、特に20〜30代の女性は、浴室の清潔感を最重要視します。内見で浴室に入った瞬間に「ここはない」と判断されると、どれだけ他の条件がよくても覆すことはほぼ不可能です。
「掃除はされているけど、古い」——これが最も致命的な印象です。
原因②:キッチンの使い勝手が「生活イメージ」を壊す
1口コンロしかないミニキッチン、収納スペースがほとんどない作業台、錆びた蛇口——これらは「この家で料理をする自分」が想像できなくなる要因です。
コロナ禍以降、在宅時間が増えたことで「自炊できる環境」を重視する入居者が増えています。2026年の今も、その傾向は続いています。2口コンロ対応のシステムキッチンへの交換や、IHコンロの設置は、単なる設備のアップグレードではなく、「生活できる家」へのアップグレードなのです。
原因③:洗面・トイレの「小さな古さ」が積み重なる
「洗面台は使えるから大丈夫」と思っていませんか?確かに機能はします。でも、ひび割れた鏡、動きの悪い引き出し、変色した洗面ボウル——これらが「この物件は全体的に古い」という印象を強化します。
トイレも同様です。ウォシュレットがついていない物件は、今や「設備が足りない物件」として認識されています。特にファミリー層や女性の一人暮らし希望者にとって、ウォシュレットは必須条件になりつつあります。
小さな古さが積み重なって、「この家全体が古い」という判断につながります。
解決方法:投資対効果の高い水回りリフォームの進め方
ステップ1:まず「現状の評価」から始める
リフォームを始める前に、自分の物件の水回りが「入居者目線でどのレベルか」を確認してください。以下のチェックリストを参考にしてみてください。
- ユニットバスの設置から15年以上経過している
- 浴室のカビ・黄ばみが清掃しても取れない
- キッチンが1口コンロ、または作業スペースが極端に狭い
- 洗面台が古く、鏡や収納が機能していない
- トイレにウォシュレットがない
3つ以上当てはまる物件は、水回りのリフォームを優先的に検討すべきタイミングです。
ステップ2:優先順位をつけてリフォームする
すべての水回りを一度にリフォームする必要はありません。投資対効果を考えながら、優先順位をつけることが大切です。
最優先:ユニットバスの交換または全面リフレッシュ
ユニットバスの交換費用は、賃貸向けのコンパクトなものであれば70〜120万円程度が相場です。これが最も入居率への影響が大きい投資です。全面交換が予算的に難しい場合は、浴室コーティング(10〜20万円程度)でも一定の効果が得られます。
次点:キッチンのグレードアップ
1口コンロから2口IHへの交換は、ユニット式なら20〜40万円程度で実施できます。これにより「料理ができる家」というイメージが格段に上がります。
費用対効果が高い:ウォシュレットの設置
工事費込みで3〜8万円程度と、最も安価な投資です。でも、入居希望者の印象に対するインパクトは非常に大きいです。まずここから手をつけてもよいでしょう。
ステップ3:リフォーム後の「見せ方」も変える
せっかくリフォームしても、物件情報の写真が古いままでは意味がありません。リフォーム完了後は必ず、プロカメラマンまたは良いスマートフォンで撮影し直しましょう。広角で明るく撮った浴室・キッチンの写真は、それだけで問い合わせ数が2倍になることもあります。
私が管理しているある物件では、ユニットバスをリフォームして写真を撮り直した結果、問い合わせが月2件から8件に増え、翌月には成約しました。リフォームと情報発信はセットで考えることが重要です。
今日からできる具体的なアクション
アクション1:まず自分の目で現場を確認する(今週中)
大家さんの多くは、実は自分の物件の水回りを「久しく見ていない」状態にあります。管理会社任せにしている場合はなおさらです。今週中に、空室になっている部屋の浴室・キッチン・トイレを自分の目で確認してください。入居希望者と同じ目線で、使い勝手や見た目の古さをチェックしてみてください。
アクション2:リフォーム業者に見積もりを依頼する(2週間以内)
現状確認が終わったら、複数のリフォーム業者に見積もりを依頼してください。最低3社から取ることで、相場感がわかります。水回りリフォームに特化した業者は費用が抑えられることが多いので、「浴室リフォーム専門」の業者を探してみるのもおすすめです。
アクション3:仲介業者に「本音の感想」を聞く(今すぐ)
内見を案内している地元の仲介業者に連絡を取り、「うちの物件が決まらない本当の理由を正直に教えてください」と聞いてみてください。仲介業者は毎日入居希望者と話しているプロです。彼らの生の声は、どんなコンサルタントの意見よりも価値があります。
「正直に教えてください」というひと言が、あなたの物件を変えるきっかけになります。
まとめ:水回りへの投資は「未来の家賃収入」への先行投資
空室が続くと、つい「家賃を下げれば埋まるだろう」という発想になりがちです。でも、家賃を下げることは、長期的に見ると最も損な選択です。
一方で、水回りへの投資は、一度実施すれば10〜15年は効果が続きます。仮に80万円のユニットバス交換で月5,000円高い家賃が維持できれば、13年で元が取れる計算です。そして何より、入居者が長く住んでくれれば、空室による損失も退去費用もかかりません。
私自身も、管理物件でユニットバスをリフォームするたびに、「あ、やっぱり違う」と実感します。リフォーム直後の内見は雰囲気が全然違う。入居希望者の目が輝く瞬間があります。その瞬間が、投資の正しさを証明してくれます。
水回りは、賃貸物件の「顔」です。その顔を磨くことが、空室を埋める最短ルートです。
もし今の物件の水回りに不安があったり、どこからリフォームすればいいかわからないという方は、ぜひ一度ご相談ください。現場を見て、最適なプランをご提案します。
お困りごと相談はこちらからお気軽にどうぞ。18年の実務経験をもとに、あなたの物件に合った具体的なアドバイスをいたします。
