ユニットバス職人会社と大手不動産管理会社にそれぞれ15年勤務した視点でメリット・デメリットを考えてみました。
各メリット・デメリットの詳細解説は下に記載します。
ユニットバス職人のメリット・デメリット
メリット
デメリット
サラリーマンのメリット・デメリット
メリット
デメリット
- 休みが多い
- 天候に左右されない
- 組織的な達成感がある
- 体力的に楽
- 社会的信用がある
- 残業が多い
- 成果のみ評価される場合が多い
- 報告のための報告が多い
- 意味のない会議が多い
- 仕事によってはスキルが身につかない
所得比較
ユニットバス職人
- 月給制 総額250,000円~300,000円ほど(頭打ち早い)
- 日給月給 日給10,000円~15,000円ほど
- 賞与は寸志レベル
- 請負の場合は稼ぎ方次第で月収100万円に届くことも(不安定)
- 年収300万円~500万円くらい
サラリーマン
- 月給 総額約200,000円~約400,000円ほど(基本的に年功序列。出世で増加)
- 賞与あり(査定により年2ヶ月~5か月)
- インセンティブで最大150万円上乗せも可能(無い会社も多い)
- 残業代で3万円~10万円の上乗せあり(みなし残業制度の場合あり)
- 年収300万円~600万円ほど
詳細解説 ユニットバス職人
メリット
【手に職がつく】
職人と言えば手に職とよく言われます。ユニットバスの組み立ては職人と言えるのか、どんなスキルが身につくのか疑問に思う人も多いかと思います。
実はユニットバスの組み立てはかなり難しいのです。
ユニットバスの入口は洗面所に繋がっていますので高さや水平垂直をミリ単位で調整することになります。
そのほか給水給湯や排水管の接続、換気扇や換気乾燥機のダクト接続、照明含めた電気配線接続もあります。
ユニットバス1台で大工、設備、電気が関係しますので相応の知識と技術がないとトラブルを招くのです。
人生において建物設備に関する技術が習得できるのはメリット以外ありません。
【帰宅が早い】
職人の労働時間は8時~17時まで。10時と15時に休憩があって昼休みは12時~13時が基本。
どの職種も原則的にはこれを遵守していると思います。
仕事が早く終わったから早く帰る。そんなことができるのも職人ならでは。
【精神的に疲れない】
今はサラリーマンなのでやっぱり精神的に疲れてます。それと比較すれば精神的にはまったく疲れないと言っていいレベル。
改築現場などではエンドユーザー様に直接お会いすることも多く手に職があることを褒められます。
完成後は喜んで頂けるのでやっぱり職人でよかったと思える瞬間があります。
【水廻り全般を学べる】
手に職がつくことと重なりますがユニットバス絡みで洗面化粧台やキッチン、トイレなど住宅メーカーが販売する水廻り商品を取り扱うことが多くなります。
ユニットバスだけでなく水廻り商品全般の工事を請け負うことから最近では住宅設備機器工事店と名乗ることも多くなっています。
この経験はリフォーム関連企業やアパート管理会社に勤務すれば必ず武器になります。
【体力・筋力がつく】
土木関係の皆さんと比較すればスマートに体力がつく程度かと思いますがサラリーマンと比較すれば段違いで筋力はあります。
転職後にちょっとだけ手伝ったことがありましたが、翌日は指先まで筋肉痛と言うお粗末な状況でタイピングができなかったことがあります。
デメリット
【朝が早い】
基本的に職人は現場に赴いて8時始業です。そんな都合で自宅を出るのが6時は当たり前。
渋滞状況や遠方の現場では5時に出ることもありました。
ちなみにわたしが勤めていたところでは倉庫もありましたので4トントラックに数台のユニットバスを積んできますので荷下ろしもそれなりに大変でした。
クレーム対応などでお客様が在宅中の場合は早くても9時からの場合が多いのでゆっくりできましたね。
【天候に左右される】
トラックでユニットバスを運んで施工しますので荷下ろしから搬入完了までは天候の影響を大きく受けます。
カッパを着て作業するだけで疲れは倍増。
部材によっては濡らさないよう気をつける必要がありますので精神的にもストレスを感じます。
出勤する時に雨の時は気が滅入ります。
【休みが少ない】
日曜日だけ休みが普通。祝日はたまに休み。週休二日なんてあり得ないという感覚。
連休は年末年始、お盆、GWだけ。
これは会社員の職人として働いていたわたしの経験談でありますが、請負で働いていた友人は稼いだ分だけ収入になるので日曜日以外の休みは返上でやっていました。
ここは個人事業主か会社員職人かで変わるところかと思います。
【自分一人で稼ぐには限界がある】
職人を各所に手配する立場になればある程度は幅広く収益を上げられますが自分一人だけで稼ぐにはやっぱり限界を感じます。
職人生活の晩年は足元を見られて人工だけで報酬を決められてしまうことも多く利益率の低い仕事が増えていました。
会社として維持するには厳しい状況だったと思います。
【体力的にきつい】
マンションなどの施工ではフロアでユニットバス10台なんてこともあり、運ぶだけで半日かかったりします。
当然ですが体力をめちゃくちゃ消耗します。
体調が問題なければ普通にこなすのですが少しでも悪いと真面目に怪我するレベルで危険。
この辺が逃げられずに辛いと感じたところです。
休みたい気持ちもあるけど一人でも欠けたらみんなの迷惑となりますので絶対に休めません。
肉体労働から抜け出したい方はこちら
資格を取得して人生変えたい方はこちら
詳細解説 サラリーマン
メリット
【休みが多い】
もう比較にならないくらい休みが増えました。不動産業の部署だったのでシフト休にはなりますが年間125日はあります。
休日出勤も多々しましたがそれでも十分休めるほど。
すべてのサラリーマンがきちんと休めるわけではないと思いますが少なくとも一部上場企業であれば労務環境の整備は進んでいると思います。
一部のブラック企業には気を付けましょう。
【天候に左右されない】
基本的にデスクワークを中心とした業務が多いと思いますので天候に左右されにくいです。
少なくとも私の場合は天候によって業務内容を変えたり効率化を図りました。
スケジュールを自分の力量で調整できるのもメリットかもしれません。
職人の場合はこの日しかないという状況が多いのでどんな天候でもやり遂げるしかありませんでした。
【組織的な達成感がある】
マネジメントする楽しさがあります。
個々の目標達成も十分嬉しいし達成感もありますが組織的に動いて目標を達成するとまた違う喜びがそこにあります。
これは部員のモチベーションを引き上げるための工夫だったりあめとむちを使い分けたり試行錯誤を繰り返して自分自身の成長を感じることができます。
【体力的に楽】
職人とは全く逆ですね。体力的に心配することはほとんどありません。
精神的な部分だけ心配していれば大丈夫かなと思います。
但し、運動不足にはなりますので適度な運動を取り入れた方がいいです。
あっという間に体力が衰えます。
【社会的信用がある】
どこまで信用があるかは何とも言えませんが職人と比較すれば社会的な信用は高いと感じます。
実際、一部上場企業に勤めているだけで住宅ローン金利の提携割引が受けられましたし、最近建築したアパート事業融資も今の身分があるからだと言われています。
職人=不安定みたいなイメージで見られることが多いのでそこを貯蓄額などで担保できればクリアできるかもしれません。
デメリット
【残業が多い】
残業を美化する慣習をやっぱり感じます。定時を過ぎてからダラダラと非効率な仕事をこなす。
しかも上司が帰らないから帰りづらいとか。わたしも転職当初は先輩上司に逆らえないので残業に付き合いましたが2年ほどで付き合い残業はやめました。
朝早く出社して定時で帰る習慣を自分なりに確立。それなりに結果も残したので何も言われなくなりました。
他人に左右されやすい人はきついかも。
【成果のみ評価される場合が多い】
数字を残した人だけが基本的に評価される。雑務ばかりに時間を割いて皆がやりやすい環境を整えている人を会社は評価しない傾向が強いです。
本当はそんな人間を正しく評価できる会社が成長すると思いますが利益を追求しないと大手でも倒産しちゃう時代。ある程度は仕方ないと割り切りです。
でも、やり切れない気持ちになったりします。
【報告のための報告が多い】
本社報告と現場の報告が違うなどよく分からない報告業務が多い。
今必要?と思うようなことも多々あります。
まさにサラリーマンという感じがします。
【意味のない会議が多い】
上司のやった感に付き合う会議が多いです。伝えたことを担保するためだけの会議。
言ったよね。伝えたよね。上司が言い訳させないための会議。結論が出ない会議。
ダラダラと不満を言い合うだけの会議。
今はマインドマップを使って改革したいと思ってる。
【仕事によってはスキルが身につかない】
今の仕事は不動産業務全般を行っているので勤めているだけでスキルは身に付きます。
誰でもできる業務を単に処理しているだけの方は危険です。言ってみれば派遣さんで対応できてしまう仕事。
もしそのような仕事をしている方がいたら誰よりも処理速度が速い人になりましょう。
そのために努力することこそがスキルと言えるかもしれません。
詳細解説 所得比較
職人の所得はわたしが聞く限り全体的に300万~500万が相場と見ています。
若いうちはサラリーマンより多く、年齢を重ねるとサラリーマンに抜かれる傾向。
個人事業主であれば一概に所得だけで比較することは難しく、節税対策をしっかりやっていれば見た目の所得より生活水準は高いです。
最近のサラリーマンは年功序列が崩れてきているので年齢を重ねて給与が上がるかと言えばそうでもないかもしれませんが、一部上場企業で資格やスキルを活かせる職種なら400万~600万は稼げると思います。
まとめ
わたしの結論は建築系職人の経験を活かしサラリーマンでレベルアップです。
人それぞれ向き不向きがあるので一概には言えませんが職人の凄さを理解しているからこそサラリーマンでもっと活かして欲しいのです。
そのためには武器が必要なので「宅地建物取引士」を取得して欲しいと思ってます。
現在、職人として活躍している方の中には身体の不調から将来不安を感じている人も多いはず。
どこかで人生変えたいと思っていたら一度チャレンジしてみて下さい。